2025/08/28 14:05
画像の私の私物ブーツの1つ
BOULETはカナダで最初にウエスタンブーツを作り始めた老舗ブランド。
昔ながらのスタイルから現代の様相を採り入れたモデル、ファッションの1つとして履けるモデルまで幅広く展開。
造りはグッドイヤーウェルト
ウエスタンブーツといえば
安直に想像するのはつま先が細く、踵が高いもの
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ウエスタンブーツの歴史と用途をお話しますね!
多分こんなにまとめた文書探しても無いはずです!
剽窃禁止ですよ。
後半は革に関係してる人には成程!という内容があります。
これもまた革屋でも問屋でも知らんでしょう。
今ネットで《ウエスタンブーツ 歴史》と、検索すると必ず19世紀のアメリカが西部開拓時代から始まったということしか出てきません。ウエスタンブーツ専門店やAIすら嘘っぱちです。
所詮AIはまだアホを騙せる程度です。
皆さんも検索すると分かります。
ですが私が歴史について度々投稿していますので今までしっかり読まれてる方には薄々気付いてるように、
ウエスタンブーツの始まりは16世紀
スペインがメキシコに攻め入った時、スペイン軍が履いていたブーツが元になり
メキシコで独自の装飾が加わり今の形になりました。
メキシコには昔からオアハカ等の伝統工芸にオトミ刺繍など各地に刺繍文化があり、あのような装飾が施されています。
以前も投稿したことのあるインレイやカービングもメキシコ革細工がルーツというお話したように、
カウボーイブーツにそれらの技術、装飾があるのも頷けますね。
ウエスタンブーツは2種類あり
1つ目は踵が高く斜め形状になっていてつま先が細いタイプ
2つ目は踵が低く真っ直ぐな形状でつま先が丸いタイプ
1つ目は乗馬用につくられていて
つま先が鐙(あぶみ)にかかりやすいように細く
落馬時に鐙に絡まるのを防ぐ為の踵の形状。
2つ目はロデオとその他の作業用
牛に跨りどれだけ乗りこなせるかという競技のロデオ
アガベ栽培、アガベ収穫、農業、放牧、採掘、等など
狭い場所でもつま先が邪魔にならない丸い形状
踵が低く真っ直ぐなのは安定性を高めるため。
この形状をローパータイプとも言います。
(今回画像のブーツがこれです)
ロングブーツでいわゆる脛を守るシャフトと呼ばれる部分は
メキシコのアガベ、サボテン、ヘクチア、プヤ、ケシ等の棘のある植物、蛇の有毒動物、岩場、乗馬時のロープ類、落馬時、等から保護する為に膝下まである作りをしています。
シャフトが長く、履き口(スキャロップドトップ)が広がってる造りの理由は直ぐに履きやすく
ロープや何かに挟まっても直ぐに脱げるようにと、
時と場合によりデニムをブーツイン出来るように。
他の部位も単なるデザインではない理由がありますが、書ききれないのでこの辺で。
ウエスタンブーツとは16世紀スペイン軍の履物が元で
メキシコの伝統工芸と馬術のチャロや生業が加わって元のスペイン軍のブーツとは見た目がだいぶ変わり今のデザインに変貌。
その後19世紀アメリカに渡り名をウエスタンブーツとして広まる。
疑問に思いませんか?ウエスタンブーツってめっちゃ英語ですよね。
メキシコでは何と呼ぶのか?
メキシコでは【バケーロブーツ】といいます。
バケーロは牛飼いという意味です。
革屋ならピンと来ますかね、イタリアンレザーのエルバケーロという銘柄の革。
バケーロブーツ(ウエスタンブーツ)目的に作られたのかは解りませんが、その雰囲気のような革ということでしょうね。
よくラテン語につくエル=EL とは英語のTHE
もしくは男性名詞。
麻薬王のエルチャポはチャポという男性と読み取る事ができます。
LAは女性名詞、LOSは複数形
日本語でちゃん=LA くん=EL これが付くだけで男か女かが分かるみたいな感じ。
当工房のアステカロゴも、見てください
【EL ALTO PONTEM】でしょ🐃
ウエスタンブーツに使う革はブルハイド=牡牛の革なので、雄=エル バケーロということ。
ps.余談ですが
メキシコの領土がアメリカ合衆国に奪われる米墨戦争より前に、テキサスはメキシコから独立して一度独立国家となったのご存知ですか?
テキサス革命といい、テキサスは元メキシコの一州でテハーノ族という先住民が居ました
このテハーノ族が戦いメキシコから独立させテキサスは国に、その後アメリカ合衆国に編入されるわけなんですが
西部劇の舞台がまさにこのテキサス。
ウエスタンブーツ、ウエスタンハットなどメキシコルーツのものが西部劇で盛んだったのもメキシコ系テキサス人の
テハーノ族がアメリカに広めたわけです。
テキサスの職業は当時、放牧と綿花産業ですからね。
テハーノとはメキシコ語でテキサス人。そのままですね(笑)
だからこそ最も古いウエスタンブーツブランドのルケーシーはテキサス州なのです。


